バチっ───── お、目があった… けど。 すぐに…そらされた…?? ガラッ!!!! 「那月くん!!」 あたしは教室の扉を 勢いよく開いて、 何事もなく去っていく彼の名前を 無意識に叫んでいた。 「お、おー、妃奈じゃんっ」 あたかも 今気づいたって感じにしてるけど さっき絶対目合ってた…。 「目…そらさないでよ……」 「え??」 「寂しかったし……」 こんなこと言うために 呼び止めたんじゃないのに、 勝手に口が…。