あーーやだぁ…… あと5分したら 教室出て準備室行かなきゃ…。 律希は家事があるから 帰っちゃったし…。 「うぅ……」 あたしはぽつんと 一人残された教室で 机に突っ伏していた。 「西島ー、もう帰んのかー??」 「あー?ったりめーだろ」 4組の廊下の方から 那月くんと、 知らない男の子の声。 カツカツカツ──── 足音が あたしのいる3組に近づいて、 ガラスの向こうに カバンをリュック背負いした 那月くんが見えた。