「妃!!」―――― 祐くんの声が聞こえたけど 振り向く気にもなれなかった。 これ以上優しくされたら これ以上好きになったら 傷つくだけ。 パシャッパシャッ。 トイレの水道で 涙でぐちゃぐちゃの顔を洗い流す。 全部...全部 流れおちたらいいのに。 あたしのこの気持ちも。 「てゆーかさ、この話聞いた??」 トイレの外から聞こえる 女の子たちの声。 あたしは素早く水道をひねって止めて、 個室に閉じこもった。