【完】冷たい彼は幼なじみ










好き。大好き。


幼なじみじゃ嫌だ。
嫌なんだよ祐くん。


早く、早く伝えてしまいたい。



だけど



「あれ、祐史だっ!!おっはよ~」

「お前...」

「あ。妃奈ちゃんいたんだ。おはよ♪」

「…おはよう」



学校に着けば
こうやって

留美ちゃんっていう
れっきとした彼女がいるんだ。



「あ...あたし、教室行くね?」

「えぇ。妃奈ちゃんもあたしたちと一緒に行こうよ~」

「い、いいよっ、邪魔しちゃいけないし。じゃね!」


上履きを履いて
カバンを持ち直して


廊下を走り抜ける。



あーもう...。


泣くな...なんて



無理に決まってるじゃん...。