【完】冷たい彼は幼なじみ






「お、おう!そーだな!」


すぐに
妃奈の部屋を出て
玄関の扉を開けた。


「はーい」

ガチャ。



「あ。」

俺が扉を開けた瞬間、
なぜか顔をしかめた″お客さん″。


「あら。りっちゃん」

「…その呼び方やめてくださいお邪魔します」


聞き取るのがやっとくらいの
早口で喋って

迷いもなくズカズカ
家にはいってきたのは、


妃奈の親友の、りっちゃん。



妃奈とは違う美しさっていうか…
クールビューティって言葉が

ぴったりな子。



「だって″律希ちゃん″じゃ呼びにくいじゃーんっ」


俺を押しのけて
うちに入ったりっちゃんを

追いかけながら言った。



「……じゃあ、律希でいいですから」


「えっ……」


ピタッと足を止めて
こっちを振り向いた彼女の頬は


なんかちょっと…


りんごみたいだった。