【完】冷たい彼は幼なじみ

蓮side───


あったかい涙で
濡れていく俺のシャツ。

妃奈がこんなに
素直になってくれるのは
何年ぶりかなぁ。



「それでも、妃奈は諦めたくないんだろ?」

「えっ…」


パッと埋めていた顔をあげる妃奈。




かーわーいーいー!!!



とかいつもなら
抱きつくほどかわいいけど、

いまは空気を読んで
我慢…我慢…。



「祐史のこと、簡単に諦められる??」


大きく首を振る。

あーあ。いーなぁ祐史。


「じゃあ。もう少し、信じて待ってみよ。」

「…信…じて…???」



あ、やべ。

口がすべったぁ…

「んと…いやあれだ!祐史が振り向くまで、祐史の言葉とか、ちゃんと受け止めてあげてって事!!!」



割と強引かな…???

とか思ったけど
「そうだねっ」っていう


妃奈の言葉を聞いて安心。



それにしても


やっぱ妃奈は
鈍感すぎるんだよなぁ…。