「...うんっ...」


恥ずかしさに耐えきれなくなって

西島くんから目をそらす。



「妃奈はさ、誰と来るの?水族館」

「え...」


あたしが小学生の時
最後に行ったのは...


「......最後は...祐くん...と」

「……二人で?」

「ちがうよっ、お母さんとかも一緒に...」

「そっか、幼馴染だもんな」



さっきと違って

少し不機嫌そうな
西島くんの声は

次はあたしの耳元に降ってきた。



「じゃあ、あいつに負けないくらい、楽しませてあげる。」




ゾクッ。

西島くんの初めて聞いた甘い声に


鳥肌が立って
どうしようもなく

体が熱く火照る。