誰もいない玄関で


西島くんとあたしは2人きり。




すすり泣くあたしの肩を
黙って支えてくれる。


1人だったらきっと
崩れてしまっていただろう。



「......外、出るか」


いつもと同じ
優しいトーンで

あたしの顔を覗き込む。


「...うん」


そう頷くと

西島くんはあたしの手をとって



学校を裏門から抜け出した。