【完】冷たい彼は幼なじみ







祐くん今
どんな顔してるんだろう。


―――――『嫌いになれたら、苦労しねーのに』



ふいに
教室で祐くんに言われたことを思い出した。


「嫌いになってよ。祐くん」

「は...?」

「あたしのこと、嫌いになって。」



震える。

目頭が熱い。



嫌わないで。

でも嫌いになって。


西島くんの手をぎゅっと握る。



「お前何言って...」

「行こう、西島くん。」

「...?!」



あたしは西島くんの手を引いて
階段を駆け降りた。



「妃!!!」


祐くんとすれ違うその瞬間。

逆の手を
祐くんに掴まれた。