【完】冷たい彼は幼なじみ






止まらなかった。


西島くんの背中を通して
あたしは言った。


「なんではこっちの台詞だよ!

中学の頃は目も合わせてくれない。
話を聞いてくれようともしない。
高校に入って、挨拶し続けても


今の今まで、
返してくれたことなんて一度もない!」




こんなこと、言いたいんじゃないのに。




「なのに...留美ちゃんが...

彼女が出来てから...。
いきなりあたしに優しくして

キスまでして
抱きしめたりしてきて
あたしの気持ち弄んで...


苦しめたいとしか...思えないの」





なにを

言ってるんだろうあたしは。



祐くんは
人の気持ちを弄ぶような人じゃない。




ただ、

祐くんが好きな人が
あたしじゃないことに


嫉妬してるだけなのに。