あたしは涙を一気に拭って バッと立ち上がった。 遅刻決定は確実だけど、 授業には出なきゃ… 「じゃあ…西島くんまた…ね??」 「……妃奈ちゃん…?」 あたしは階段の手すりを つかもうとした。 けど。 パシッ。 その手は 西島くんの手に包まれた。 「え……」 「行くな。」 「に…しじまく…」 行くなといった 西島くんの顔は 子犬から狼に変わっていた。