留美もきっと
俺の事を好きだなんて
思ってなかったと思うし。
留美にとったら、
芹澤もきっと
俺と同じなんだろーな。
「なんで...みんな、妃奈ちゃんばっかり......」
「...お前...」
「さっ、あたしも早く教室行かないとっ。那月も遅刻しちゃうよ?」
栗色の長い巻き髪を揺らして
留美は俺の前を歩いて行った。
「留美。」
「...ん?」
「妃奈ちゃんに手ぇ出したら殺す。」
「......なんのこと?」
ふふっと不気味に笑って
留美は俺を振り返った。
「妃奈ちゃん略奪、せいぜい頑張って?」
そういうと
またくるっと向きを変えて
スタスタと歩きだす。
なに企んでんのか知らねーけど
妃奈ちゃんは...
俺が守る。



