【完】冷たい彼は幼なじみ




いまの高校に入るのも、
祐くんと昔みたいに
遊びたいから。

この制服を着るために、

あたしは得意でもない
勉強をがんばって

頭のいい祐くんと
同じ学校に入った。



『あたしも、祐くんと同じ高校受かったよ!』



話しかけるな


って言われてから
初めてあたしは祐くんに言った。
息が詰まるほど緊張した。


『…あっそ』



祐くんの返事は
冷たいって言葉じゃ足りないくらい

素っ気なかったけど



あたしに向けた声を聞いた時



ほんと、涙が出るほどうれしかった。






昔みたいに話したい。
その思いは強くなっていった。




その日から



偶然を装って
毎日祐くんと同じ時間に家を出て



「おはよう」


って言ってるんだ。