朝が来て通話をつないだまま眠る彼女
僕はチャットを残して仕事場へ行った
昨日、電話が来ていたんだ
今日は会議をするからちゃんと来てください
参加しないと退職してもらうかもしれない
そういうことだった
会議は進んだ
僕はほとんど上の空だった
不意に僕は声をかけられた
社長が僕に意見を求めたらしい
でも僕の耳には
その声が彼女が僕の名前を呼んだように思えて
涙が溢れた
叫んでしまった
ドラマでしかそうそう見ない
錯乱だった
僕は4月いっぱいで退職することになった
彼女を失い
仕事を失う
仕事を失うことは生活を失うこと
生活を失うことは遠くないうちに
ネットも失うことになる
もう僕は狂っていた
