ホストなんて大嫌い!?

「日菜ちゃん、これでいい?」

「あ、はい。」

なんだかよく分からないけど、

龍から渡された飲み物を受け取る。

「シンデレラって言う、ノンアルコールのカクテル。」

「あ、ありがとうございます。」

「それにしても珍しいな。

瞬に落ちない女の子なんて。」

「そうですか?

まぁ、どちらかと言えば龍の方がタイプです」

「え、まぢ?

でもこの店、永久指名制だからな~」

龍がフフッと笑うと、つい笑みがこぼれた。

「おい」

ドスの利いた声のほうを見ると、

不機嫌なオーラを発した、チャラ男。

「なんで、龍のことは龍って呼ぶのに

俺のことは名前で呼ばないわけ?」

「別に…

名前呼ぶ機会もないし。」


「へぇ~。

じゃぁ、今呼んでよ。」

龍は苦笑しながら、席を立って行った。

「早く。」

気付けば、あのチャラ男が真横に座ってて…

喋るたびに、吐息が耳にかかる。

「呼ばないと、キスするよ?」

「はぁ?!」

「じゃ、早く呼べよ。」

チャラ男は本気なのか、顔を近づけてくる。

「…しゅ、しゅっ、ん」

「なんだ、ちゃんと呼べんじゃん。」

すぐそばにあった顔は離れ

なぜか、頭を撫でられる。

「これから瞬って呼ばなきゃダメだから。」