「はぁ~・・・やっちゃったよ・・・」

 最近の私の安藤に対する態度はめちゃくちゃ悪い。
 話を無視することだってあるし、目が合いそうになるとすぐさまそらすし。

 「前はこんなんじゃなかったんだけどな~」

 そう。前は全然違う。
 だって、私と安藤は元カレカノだから。

 
 
 私が安藤と付き合ったのは小学6年生の夏。
 私は安藤のことを幼稚園のときからスキだった。
 でも想いを伝えることができないでいた。
 
 6年生の修学旅行。
 きっかけはお土産だ。

 
 「ん~。どれにしよう・・・?」 
 「なになに~。・・・てキーホルダー???誰にあげるの?」

 私は友達の愛菜と家族や親戚に買って帰るお土産を探していた。
 そして私は、ここで何か安藤に買ってあげることにしたのだ。

 「誰でもいいでしょー!」
 「あ、わーかった!進君だ!」
 
 ・・・さすが愛菜。前から言っていたとはいえ勘がするどい・・・。

 「そんな訳ないでしょ!」
 「またまた~。顔赤くしちゃって!」

 ・・・まったく愛菜は。やっぱりゆうんじゃなかった・・・。

 「赤くなんてなってない!もう、選ぶのに集中するから向こうに行ってよ」
 「はいはい。頑張っていいの探してね~。じゃぁ、先いってるね」

 からかうようにして愛菜は戻っていった。

 さて、邪魔者は消えた。それにしてもどうしよう・・・

 「・・・これでいーか!」

 私は安藤が好きそうなキーホルダーを買うとバスに戻った。

 バスの中。
 私は渡すタイミングをはかっていた。
 幸い安藤とは前後ろに座っている。

 私は隣に座っている真李が寝るのを待った。

 ・・・完全に寝たみたい。

 よし!

 「あの、安藤」
 「ん?」
 「・・・これ、買ったんだけどもらってくれる?」
 
 私はさっき買ったキーホルダーを出した。

 「僕に?」
 「・・・うん」
 「あ、ありがとう・・・//」

 あれ?今一瞬照れなかった??
 まさかね・・・。そんなこと・・・ないよね。
 
 「あ、愛沢。・・・これ」
 
 安藤はそういってミッキーのボールペンを出してきた。
 
 「えぇ!私に!?な、なんで?」
 「いや・・・その・・・。とにかくもらって?」
 「あ・・・うん。ありがとう//」

 私はそういってボールペンをもらった。
 
 私は帰り道、理由が気になって気になって仕方がなかった。
 どうして私に買ってくれたのか。
 
 「・・・やっぱ本人に聞くしかないか」

 私は2日後の学校で聞くことにした。