「きゃーっ!」 悲鳴に近いような歓声を真横で聞いて、 とにかく私は驚いた。 「陽葵(はるき)くーんっ」 陽葵と呼ばれたその人は、 周りに取り巻く女子達をものともせずにスタスタ歩いていく。 通った鼻筋、綺麗な二重。 振り向いた彼の顔は、 それはそれは美しかった。 そう。 きっとその時から。