思い出の、あの初恋の場所で足を止めた。 もう、誰も、居ない。 「懐かしいなぁ・・・・・・・」 辺りを見渡した。 何も変わっていない。 僕は、あの夏の恋を一生忘れない。 “初恋が幽霊”だなんて、多分忘れもしない。 誰にも、もう話すことはないだろう。 この事を知っているのは、僕と、もう居ない祖母だけだ。 この想いは、僕の胸の中にずっと収めておく。 ずっと、ずっと。 いつか、会える日まで、僕は、僕を生きていく。 【あの夏の恋】 END.