あの夏の恋




「まぁ本当は、夏くんに会いたいのと、ここに居たいってのだけどね。部活はその三番目」



どきりとする。

愛ちゃんは、僕を遠ざけたり、意識させたり、巧みに掌の上で転がしてる気がする。


期待させるのはやめてほしい。



「森の空気吸って、体頑丈になれそう?」

「どうだろう、まだ頂上まで上ってないからね。やっぱり俺に、運動は向いていないのかもしれない」



手の甲を太陽に透かしてみる。


気持ち悪いほど、焼けてない肌。
外に出てない証拠だ。

男に思えない程、細い腕。


あぁ、今日このまま一日中寝て、焼けようかな。



「夏くん、暗くなってきたよ?」

「うん、そうだね。時間って、早いよね」


愛ちゃんが曖昧に笑う。



その後、僕らは別れて、森をあとにした。