あの夏の恋




“正直な心の声”を伝える、勇気が無い。


一歩、踏み出せない。



「・・・・・・・・・、あ・・・・、」


喉から声が出た。

心臓が今までに無いくらいうるさく動いている。




「愛ちゃん、今日部活どうしたの?」



言えなかった。


一気に話題を変えてしまった。
勇気が足らなくて、方向を全速力で回転してしまった。



「ああ、部活、ね。今日は休んだの。」

「休んだ?」

「そう。毎日ばかみたいに通っても、仕方ないでしょ?私、吹奏楽部なんだけど、部員が少なくて、練習にならないんだよね」



どんどん話題がずれていく。

勇気が出せなかった僕を、自分で殴りたい。