「れーい!」 ――ドンッ 「……重い」 「うわっ!反応薄っ!!」 放課後になり、教室から出ようとした瞬間に背中に飛びついてきた弘也。 「いいから。早くどけ」 「へいへい」 しぶしぶ俺の背中から離れる。 「じゃあ俺、帰る……」 「ちょっと待ったっ!!」 「は?」 やっと離れたかと思ったら、次はがっしりと腕を掴まれる。 「……んだよ」 まだクラスメイトが数人残っているせいで、無下にこの腕を振り切ることができない。