「お、王子様じゃなかった……」



「少なからず俺ではないな。」



「そ、そんな……」



出会ったときから、好きだったのに……



「そういうことで、今日からよろしくな。未来」



よろしくなんてできない。



一ノ宮君と……いや、この悪魔と家族なんて絶対無理っ!!



「じゃあ、そろそろリビングにでも戻るか」



――ギュっ



立ち上がった一ノ宮君の服の裾を掴んだ。




「なに?」



「……違う」



「え?」



「あたしの好きになった一ノ宮君は違う」



違うもん。



あたしが好きになった一ノ宮君は……