「おそらく貧血ね。少し寝てればよくなるはずよ」



「そうですか……」



ベットで青い顔をして寝ている未来の髪を、そっと撫でた。




「寝不足だったのかな」



そう言って保健の先生は優しく未来を見つめた。



寝不足……



きっと俺のせいだな……



俺が未来にあんなことを言ったから、悩んで眠れなかったんだよな……




「ごめんな……」



そう呟き、前髪をそっと掻き分ける。



「優しいのね、一ノ宮君は」



そんな俺の姿を見て、先生が優しく俺に声をかけた。



優しい……か。



「……優しくなんかないですよ」



「え?」