「未来っ!!」



そう呼んだのは咄嗟だった。



周りがざわついているのも分かったし、俺が未来を抱き起すとさらにざわつきが酷くなることも分かっていた。



でも……




「触らないでください」



「……え?」




「こいつには、触らないでください」



どうしても他の奴には触らせたくなかった。



理由なんて簡単だ。




ただの独占欲だ。



でも、そんなこと周りに言うことなんて出来ず……




「こいつは……僕の妹です」




そう言って、少しでも未来を守った。



それと同時に、兄として、こいつに触れる権利を他のヤツに与えないようにした。




どこまでも俺は、ずる賢いヤツだ……