夢なら……よかったのに。
胸がキリキリと痛む。
「門倉さん?大丈夫?」
「あっ、はい」
心配そうにあたしの顔を覗き込んでくる先生。
「寝不足だったかしら?今日は家でゆっくり休んだほうがいいわよ」
優しい保健の先生に、心が一瞬和む。
「え、でも授業は?」
「あら、授業ならもう終わったわよ?」
「え!?」
壁に掛けてある時計を見ると、もうすでに放課後になって1時間以上たっている。
あたし、どれだけ寝てたんだ!?
「ちょっと先生職員室に行ってくるから、帰れそうだったら帰りなさいね」
「はい、ありがとうございます」
先生はもう一度優しく微笑み、出て行った。


