お前が好きなのは俺だろ?



……え



「おいっ!しっかりしろ!未来っ!!」



もう、夢の中……?



……あぁ、違う。



この優しい腕は、夢じゃ感じられない。



「ほ、保健室」



「智香ちゃん、俺が連れて行くよ」



その言葉をなんとか聞きとったとほぼ同時に……



「「きゃぁぁぁ――っ!!」」



周りから悲鳴のような声が聞こえた。



どうしたの……?



なんてもちろん聞けなかったけど、聞かなくても分かった。




だって……あの力強い腕が、あたしを抱きしめるようにして、お姫様抱っこしてるって分かるから。



懐かしいようなその腕は、ずっと求めていたもの……