「お前は父さんと母さんの幸せの為に、俺たちのこの関係を隠すことを選んだ」



「それは……」



「分かってる。親の幸せを望むのは、俺も同じだから……」



苦しそうに、絞り出すような声。



「でもさ、俺とお前の幸せは?」



「……」



「このまま隠していくってことを選んだなら、俺たちの『これから』はどうでもいいのかよ」



ベットから立ち上がり、ドアへと足を進める玲。



「ちがっ……」



「お前は……俺との幸せを……、これからを考えたことはなかったんだな……」



そんな玲の腕を掴もうとしたけど、出来なかった―……



いつも強気で、強引な彼が……とても悲しそうにしていたから……