「そんなカリカリしないでよ。どうしたの?冷静な玲らしくないじゃない」



っ!!


「触んなっ!」



腕にするりと回された腕を、なりふり構わず振りほどく。



「酷いなー。玲ってば」



……こいつのこの笑みは何か企んでいる。



この艶美な笑みは。




「なんであたしの手は振りほどくのに、あの子はいいの?」



「……は?」



「ふふっ、朝に面白いもの撮っちゃった」



そう言って差し出してくる携帯。



「っ……お前」



その画面に映し出されたのは、紛れもなく、俺と未来が手を繋いでいる写真。




「これ、バレたら大変だよねー。義理とはいえ、妹にこんなことしちゃって」



「別にこんなのどうとでも……」



「言い訳できるって?」



俺の言葉を遮って、俺の言葉を読み取った加奈子。