「おい!シカトするなよ~」
うるさい。
「つーかお前さ、家こっちじゃないだろ?」
「あっ、実はさ智香の家に泊まってて~~」
――バシッ
「痛ぇ!なんで叩くんだよ」
「なんかイラついたから」
ニヤニヤしやがって。
「ははぁ~ん。そんなに俺と智香のラブラブがうらやましいか?」
こいつはどんだけ幸せな頭をしてんだよ。
「そんなラブラブな奴がなんで1人で登校してるわけ?」
「うっ……それがさ、さっきこの通りで先生を見かけてさ~」
不満そうに弘也が口先を突き出す。
「智香があの先生に一緒にいるところ見られたくないとか言いだしてさ~。恥ずかしがり屋だよな~。智香って♪」