「ん……ずっと、そう呼んで。今も……これからも」 『これから』という言葉が、胸に沁みた…… 「もらうよ。未来の全部」 そんな甘い囁きを聞いてからは、もう何が何だか分からなかった。 覚えているのは、死ぬほど恥ずかしかったことと…… 涙が出るほど痛いことと…… そして……それでも安心するほど優しい、玲の体温だけだった…… ――『好きだよ……未来』 朦朧としていた意識の中、そんな言葉が聞こえたような気がした。 ……気のせいかもしれないんだけどね。 それでも、ひとつになれたことが幸せだった。