「これ全部一ノ宮君のなの?」



「……」



「あたしには全然わかんないような本ばっかりだ~~」



「……」




自然と早口になる。



「やっぱり頭のいい人は違うね~。あたしなんか……」



「あのさ、未来」



――ビクッ



名前を呼ばれても、振り返ることができない。



「なんでこっち見ないの?」



――ドキッ



「未来……」



名前を呼ばれるたびに、胸の鼓動が激しくなり、頭がショートしてしまいそうなくらいクラクラする。



「……やっぱり、やめるか?」



「え?」