「私の苗字はね…「一ノ宮だよ」




……え




「あら~。来てくれたのね~~」



「遅れてすみません。しかも勝手に入っちゃって……」



「いいのよ~。家族になるんですもの♪」



「ありがとうございます。祥子[しょうこ]さん」




あたしのお母さんの名前を呼んで、優しそうにほほ笑む。





う……嘘でしょ?




だ、誰か嘘だと言って……




「こんにちは、未来ちゃん。一ノ宮玲です」



お願いだから……



お願いだから……






「今日からよろしくね。“お兄ちゃん”として」






嘘だと言って――――っ!!!