「戻らないでもいいだろ」 きっとあいつも俺が連れ出すこと、想定内だっただろうし。 まぁ、弘也のヤツ明日痛い目に合わすけど。 「ちょっと!とにかく放してっ!」 腕をおもいっきり振り出す。 本当に一々うるさいヤツ。 「戻らなくていいって」 「でもっ……」 「それよりさ、もっとイイことしない?」 「……え?」 未来の瞳が、大きく開く。 「今からデート、しよっか」 この瞳に映るのは、俺だけでいい。 俺だけで―……