「こっちだって来たくてきたわけじゃねぇよ」



「っ……」



そんなこと一々言わなくても分かってるよ……



「しかもあんなもん見せられるこっちの身にもなれよ」



「あんなもんって……あっ!」



もしかしてさっきの……見られてた!?




「弘也とイチャイチャするのは構わないけど」



「イチャイチャなんてっ……」



「俺と家族になるんだから、公衆の面前はやめろよな。迷惑だ」



「っ……」



『迷惑だ』




たったその一言が、あたしの心に重くのしかかった。



やっぱり弘也君の勘は外れそうだよ。



だって、あたしがどれだけ気持ちが変わらなくても……


どれだけ傷ついても……





――一ノ宮君は全くあたしに興味がないんだから……