「次はちゃんとお前の理想の王子様でも探せば?」




離れていく後姿を、ただ見つめることしかできなかった……




分かってた……



あたしはただの妹で……



一ノ宮君はあたしのお兄ちゃん。



それ以下にも、それ以上にもならない。




なのに……





――『未来、俺のこと好きだもんな?』





あの言葉を言った時の一ノ宮君の表情が、頭から離れない……






あの……一瞬見せた悲しい表情が―……