「ねぇ……」



「……」



なんで何も言わないのよ……



「一ノ宮君ってば……」



「……」



なんでっ!!



「ねぇってばっ!!」



イライラが限界で、一ノ宮君の腕を掴んだ。



――ドンッ



「キャッ!!」



その腕は逆に掴まれて、そのまま壁に強く押さえられた。



「なっ……」



突然のことで言葉が出ない。



「なんで……?」



あっ、やっと視線を合わせてくれた……