アスファルトにある小石をちょんと蹴って、角を曲がった。 「――……え」 ……なんで。 「待ってて……くれたの?」 角を少し曲がったところで、足を止めてそこに立っていた一ノ宮君。 「……」 何も言わずまた足を進め始めた一ノ宮君。 ここで止まる理由なんてないよね……? やっぱり一ノ宮君…… 「待っててくれたんだよね……?」 「……」 「ありがとう」 「……」 何も言わず、ただあたしの先を歩く。