どうしてだろう……?



どうしてあたしのことを避けるの……?



「あっ、おはよう」



「ん……」



何よ、その態度……



洗面所から出て来た一ノ宮くんに話しかけただけで、この態度。



ほとんどシカトしてるようなものじゃない……



あの日から……



あの夜から、一ノ宮くんは全くあたしと視線を合わせようとしない。




「はぁ―……」



「あら?みーちゃん、朝からため息なんてどうしたの?」



「お母さん……」



こんな早朝からピシッとスーツを着こなしているお母さん。



「あっ、洗面所使うよね」



洗面所のドアの前で立っていたあたし。