「はぁ~かっこいい~~」



「……」



「もう、どこからどう見ても完璧……」



「……」



「まさに王子さ…「あぁ―っ!!もう!!朝からうるさいな―っ!!」



バシーンという痛々しい音が教室中に響く。



「痛ぁ~~」



教科書で叩かれた頭を撫でながら、小さく呟く。




「ちょっ!智香[ともか]!!いくら親友だからって、教科書で叩くのは酷くない!?」



「酷い!?どこが!?朝からニヤニヤしてるのを見せられてるあたしの気にもなってよっ!」



「うっ……」



負けじと言い返してくる智香に、あたしは口を閉ざした。




ニヤニヤなんてしてないもん……。




……ちょっとしか。