おとり化粧室


『いじめは卑怯だ』

『大人数で一人をいじめるなんてクズだ』

学校の国に住む民の胸に、隣国のありがたい言葉は響くのかな?


残念、まだ君たちはお勉強最中で外国語を学び途中のせいで、

大人の国の人々が何を喋ってるのかチンプンカンプンらしく、

伝えたい想いは言葉の壁があり、真剣に諭されてる場面でも、

『えぇーどうして大人の国の人って子供の国に不法入国してくるの〜? なんかこわいよ〜』って、

全く違うことを思われてるんだ。



要するに、大人の熱意は耳を通るけど、雑音でしかないらしい。

その分かりやすい例として、

たとえば、いじめられっ子の親が学校の国に乗り込んできたら、

『過保護とか引くわー』
『これが噂のモンスター!』
『子離れできないとかウケる』
『干渉やべぇストーカーか?』

って、自分たち子供社会で解決しようとしてるのに、厄介な親が増えたなぁって、

生徒に嘆かれておしまいなんだ。


君が暮らす学校の国は、自分たちの伝統とか風潮とかを大事にしてるし、

毎日が楽しいため、

別に不便を感じてないせいで、わざわざ大人の国と外交する意識がないらしい。


親が我が子を、先生が教え子を、大人が子供を、助けようとする真心がきっかけで、

『親にチクるなよ』
『先生味方にしてセコい奴』
『被害者面しやがって』

って、学生ノリになっちゃって、余計いじめがエスカレートする変化球技だってある訳で、

そこのところ、本当の本当に大人たちは理解してくれてるのかな?



ああ、でも、そんな未完成で幼い世界で子供が頑張ってるなら、

それを見守るのも大人の役割ってやつだ。


……まあ、このウザったい揶揄に気づこうが気づかないフリをするのが、

君が毎晩読んでて98ページにしおりを挟んでいる鬱陶しい物語で活躍するビッチ主人公と上手く付き合う対処法だったりする。