おとり化粧室



リアルはあっという間に流れてく。

ならば一秒一秒の青春を無駄にしないためにも、回想はほどほどに、

さあ、停止ボタンを押そうか。



ダークカラーが主流の一年二組、派手とかチャラいとかもう昔、

小綺麗なファッション控えめ男子がモテ路線、
飾らない主義オシャレ女子が人気傾向、

ブログや呟きで皆と絡める生徒が支持される教室は賑やかだ。



中でもふあふあグループ、四姉妹はとっても楽しそう。

『ブランドはこだわらないよ、安くて可愛い服が好き』とオシャレ好き公言し、

『意外と少女漫画読んじゃうんです』って切り出す時は、『可愛いのにアタシ実はオタクでしょ』ってギャップ狙い、

無添加カフェで流れてそうな柔らかCD集めて癒し系演出、


根は真面目アピールに繋がる勉強は頑張らなきゃ損、

とりあえず『保母さんになりたい』って夢を語り家庭的宣伝、

『お化粧しても映えなくて〜スッピンも幼いって言われるし〜』って、童顔コンプレックス披露が趣味、

料理作ったらブログに写メ載せ褒めコメント獲得にご満悦、


――ねえ、そんな君たちは、ふんわりおっとりしたたかさん。




「君チャ〜ン、澪碧嶺ってば眠いんだって、そりゃネムいよねえ?」

目を細めて玲ちゃんが言ったなら、


「ええー!?」と、オーバーリアクションに励む君は受け口で顔芸してみせ、

ルルナは隠語活用で愉しむ様子に「っふふ」と、笑ってて、

「夜更かしは肌に悪いよ澪碧嶺」って玲ちゃんはつっこみ、

澪碧嶺は、「昨日ネイルしてたから眠いんだもん」って、むくれてる。



大変お待たせいたしました。
今日も一日、アタシは女子高生の朝が始まった。