おとり化粧室


ルルナは大人だから空気を読んでくれるけど、玲ちゃんはちょっと違う。


人間関係にしゃしゃる奴はトラブルメーカー、どうせ後悔すると知りながらも、

そんなもん明日教室で玲ちゃんにシカトされる処罰に比べたら容易いと吹っ切り、

やむを得ず君は打ち明けてしまっていた。



『化粧品とかマネしてくるんだよね』

『しゃべり方、似てきてるんだよね』

『ブログんネイル、パクるんだよね』

『プリん落書き同じの多いんだよね』


なんでも良かった。
ルルナに相談した時より女子力はかなり低かったと思う。

隠し事を責められるんじゃないかって焦ってた分、頭が働かなくてただの陰口だったかもしれない。


でも、言ってしまった以上は取り繕えない訳で、君はすがるようにルルナを見たんだ。

そうしたら、ルルナは眉山を持ち上げ困ったフェイスで小さく頷くばかりで、

玲ちゃんへフォローしてくれなくて、『こいつ無責任なビッチじゃん!』って舌打ちしたくなった。


でも、君がルルナを嫌う時は、たいていルルナが正しいんだ。




あとは、ブログ記事の通り。



「あー……分かるかも!」

君のカミングアウトを聞いた玲ちゃんは華やかに笑っていた。


それが購買に行き損ねた時のだいたいの流れだ。