おとり化粧室


真面目な性格か、君は授業をサボるのが嫌いだ。

高校は授業料が無償化ナントカっていっても、学生は勉強が基本――なんて冗談、

『オシャレなのに地に足ついた常識人なモテ子』を夢見る君は、

時間にルーズな子が保守的男子層の支持を得られないと計算していたせいで、

『こんな見た目でも内面やまとなでしこでしょ?』の振る舞いを心がけていた。



でも、あの時、遅刻に負い目はなかった。


だって、ルルナが変に君が隠し事がある風な話題を玲ちゃんにふっかけたまま、

あやふやにして教室に戻ってしまうと、

たった五十分程度の内に、スマホを操る玲ちゃんがあれこれ2組の皆に探りを入れ、

ルルナ以外にはカミングアウトしてないにしろ、

『君チャンあのグループで上手くいってないのかな?』って、皆に誤解されたくなかったし、


玲ちゃんに無関係な秘め事だったとしても、彼女の性格上、

『このアタシにナイショにするなんて』ってヒステリックを起こされると分かっていたから、

遅刻を選び、弁解するしかなかったんだ。



さて、そんな君の心理を理解できる子は精神が大人、意味不明な子はピュアな子供だろう。


ねえ、学生時代に内面が大人な生徒は本当に偉いのかな?

そこのところ、高校を卒業する頃には浅い薄い軽い持論を一つ、ぜひ用意しておいてほしい。