「君チャンが言いたくないなら良いけど……。二人の秘密だったもんね、ごめん玲ちゃん気にしないであげて?」
もうその話は終わったはずだったのに、
何を考えているのかルルナはまた掘り出しやがった。
「やっぱり誰にだって言いたくないことあるもんねぇ、分かるよ私……仲良くても仲良いからこそ無理なこともあるよね」
化粧っけのない瞳は丸く、汚れなく明日を見据える。
これだから純粋はごめんだ。
確かに女子高生は五日に一回のペースで、家族や過去、トラウマや恋愛、部活や夢など、
価値観をしんみり語り、時間がない場合はブログを借りて友情を育まなきゃリアルと呼べないんだけど、
今はそういう空気じゃない。
毎回休み時間に決まって購買のオバちゃんを口説く先輩が今日も居るかどうか、
玲ちゃんを筆頭にゆるいお喋りをしている今は、そういう空気じゃないんだ。
ルルナはもう一回、可愛い女子高生をやり直すべきだ。
「君チャンも大変なんだよ私なら耐えれない、ね、玲ちゃん分かって?」
はあ?!
今その話とか
頼んでない頼んでない
余計なことしないでよー
黙ってよ
ルルナのバカッ
君の悪態も間に合わない。
「えー!? ルルナだけ特別なんだ?!」
さっきまで澪碧嶺に不機嫌だった玲ちゃんの矛先が、明らかに君へ変わった。
これは、人生最大のピンチだ。
ただ、一生のお願いばりに、学校の国に『主人公、人生最大のピンチ』が多々あるのはスルーしようか。


