「なになに? 君チャン真剣な話〜? 話してよ聞くよ玲」
「あー……、はは?」
やじ馬気質な玲ちゃんのことだから、仲良しグループしてきた経験上、食い付いてくるって読めてたけど、
君がはぐらかしてるのに、しつこく絡んできて本気鬱陶しいなって思った。
でも、露骨に態度に出すなんて可愛い女子高生的にご法度、
ここはもう一度、「いやあ、あはは?」と笑い技で交わしたなら、
玲ちゃんだってイタくはない。
さすがに空気を読んで、「ふーんだ、いーもーんっ! みたいな!」って冗談半分、
購買でジュースは何にしようかと話題を転換させてくれた。
「玲コーラかなぁ」
「私ミルクティー」
「あたしも」
どうでもいい会話をしつつぷらぷら歩けば、セーラー服のスカーフが平和に揺れる。
「てか玲ふつーに購買の一日の利益気になるかもー」
「気になる気になる」
どうでもいい会話で君が玲ちゃんに内緒にしてる話があるってイラつきを、
早く玲ちゃんが忘れてくれますようにって、一生懸命唇を動かしたいのにできない君に代わってくれたように見え、
ルルナの相槌が嬉しい。
ほら、ルルナに掴まれたままの手は、人のあたたかさを教えてくれる友情の印だった。
――なのに、
親切とお節介の境界線とは何か、
君は二秒後、ルルナに苛つく羽目になるなんて、今はまだ知らなかった。
「ねえ、君チャン?」
大人に秘密を教えてあげる。
『アタシたち親友だよね』は、ケータイ世代の優雅な合言葉だ。


