『澪碧嶺のためにひゅったんに預けます』
そんな契約を口にしてないけど、なんとなく感じとりあうのが女子高生能力だ。
さて、廊下に響く喧しい靴音、南にとられた窓から曲がって入る図々しい光、
たらたら歩く四姉妹は三姉妹、
生徒が減った静かな空き教室にかかった時だ。
「あ!、君チャン!」
太ももをオーバーに叩いた反動で持ち上がった左手で、ルルナは何か閃いたのか君の右手を恋人握りしてくる。
びっくりして立ち止まる二人に躊躇せず、
「……今、玲ちゃんに言ってみたら?」と、彼女は続けた。
?、え
なんか話あったけ
よく分からなくてホッペをハムスターっぽくお茶目に膨らませてみたら、
ミ・ュ・ア・ネと、口パクで諭され、ハッとした。
先日、澪碧嶺に髪型を真似されて頭にきた君が不満をぶちまけた際、
玲ちゃんにも聞いてみたら的なアドバイスを受けたのを思い出す。
パクり詐欺女の悪行を世間に知ってほしいと、入学して何度腹立ったことだろう。
クラスの皆は無理でも、ルルナや玲ちゃんぐらいには一緒に彼女を嫌ってほしいと何回願ったことだろう。
ルルナの次には、ぜひ玲ちゃんを相談仲間にしたいと乙女心が疼く。
「あー……えー……、」
でも、でもだ。
前回は取り乱して安易に告げ口したが、やっぱり女子高生らしく可愛く生きたい君は、
陰口みたいになるから、今回は澪碧嶺の盗作ヒストリーを語る気になれない。
これは澪碧嶺に対する良心ではなく、自分の好感度の問題で、
予め答えが決まっていたなら、一秒後はどうなるのかな?


