「男の子ってやっぱり面食いだよねぇ〜澪碧嶺パワー」
チャイムが鳴るまで後十五分、ルルナの音色は蛍光灯まで届かない。
さて、小中、他人の顔色をうかがって生きてきた君はある異変に気づく。
……、
れーちゃん、?
そう、玲ちゃんはモテる子が内心嫌いなんだって、
入学して数ヶ月を一緒に過ごす中で若干学んでいたし、今まさにソレだって気づいたんだ。
理由は定かでないが、
多分、メイクでやっとこさ人並みになるスッピンコンプレックスの玲ちゃんは、
美人に対する僻みが強いせいなんだと勝手に分析できるから、
澪碧嶺フューチャーの今がつまんないんだと思われる。
ただ、露骨に不機嫌になるとか極端にイラつくとか、そんな態度はガキ臭いし引く程クレイジーだしで、
自分に素直イコール奇行っていう解釈をする可愛い女子高生的モットーに反するため、
まともな社会適合性の玲ちゃんはいつもの玲ちゃん通りなんだけど、
仲良しグループの絆が働き、些細なサインに君は勘づけた訳だ。
「んー……と。えと……。ねえ、あれだぁーよね? やっぱり女子と男子の美意識って違うのかなあ? とかね?」
恐らくルルナも同じで、ひゅったんたちを目で追うのを止め、
喜怒哀楽プリンセス玲ちゃんのために、澪碧嶺話題を転換したらしい。
まあ、ネタ切れなのか、
大人たちに小馬鹿にされがちな浮気の境界線やら男運が悪いやらガールズトークで女子が熱弁したがるトピックスぐらいしか浮かばなかったみたいだけど、
やっぱりだてに親友してきてない。
とある少女の背景はどこにでもある黒板なのに、
たった一秒後、
あと一秒経てば、色とりどり花が咲くのを君は見ることになるようだ。
これこそ、エンジェル女子高生が弱った仲間を助けるために隠し持つ治癒能力だって知識を、
次の展開のために、しっかり心に焼き付けておこうか。


