「澪碧嶺と。君チャンなんかあった感じ?」
可愛い女子高生を演じる能力が低かった証拠に、鋭く突っ込まれてしまっている。
「別に。ふつう。だよ?」
苦しい言い訳をするしかない幼き君と、親友の悩みを分かち合いたいと願うルルナ、
二人の精神年齢の差を説明すると悲惨でしかないので、
この話は速やかにスルーしよう。
「……そかぁ。」
携帯電話をポッケに閉まったルルナは三回連続技を決めた後、両手を腰に当て、
三角形を二つ作り、少々おどけたポージングをとってみせた。
「言いたくないなら良いけどねー、思春期リアルに色々あるし。でも私ね、君チャンと澪碧嶺と友達だからどっちの味方するとかないし。
だからあれだよ、二人の話を聞くよ? 平等に。中立に。チクるとかしたくないもん、トイレ出たら忘れるから本当のこと話してくれてもいいよ?
……こんなこと言うの重たくて笑えちゃうかもだけどね、最近の君チャン元気ないじゃん? 私、気になるよ?」
……ルルナ、
やさしい……な
ここまで心配してくれるルルナに意地を張るのは自尊心を守るろくでなしに思えて、
君は誰も居ないのを確認し、慎重に口火を切った。
「あのさ。結構、マネってゆか、澪碧嶺被せてくるのね。なんか、あたしと同じのばっか。」
真っ直ぐにルルナを見れなくて、君はトイレの入り口ばかりに焦点を定め、
ここ最近、ストレスの原因でしかない事実を告げてしまっていた。
ドキドキした。
冷や汗が出た。
声が震えてた。
喉が乾燥した。
体が発熱した。
これは相談で悪口じゃないのに、なんだか誰かを陥れようと企んでいるような背徳感に緊張した。
いいや、親友の反応が怖かったんだ。


