おとり化粧室


君と対面している癖に携帯電話を扱っているルルナの場合、

一見ゆとり娘に当て嵌まるのだが、偏見はよくないんだ。

実際、彼女のコミュニケーション能力がいくらか分かる?









携帯電話で無料ゲームを始めたらしい親友は、画面を凝視したままイライラ最高潮の友達を気にもとめない。


だからだろう。
パクり娘の澪碧嶺をけなす発言をしないルルナにさえ、とうとう君は腹が立ってきた。

普通、女子は今居ない子をネタに盛り上がるもので、

『澪碧嶺って可愛いんだから声作らない方がいいよね、ぜーったい勿体ないよ』イコール、

澪碧嶺は声色を計算しているっていう告げ口、


『澪碧嶺って中学時代女子に嫌われてたらしいよ、やっぱり可愛いと嫉妬されんだね、可愛すぎるのも大変だね』イコール、

澪碧嶺は地元で人望がないっていう陰口で、

要は、『アタシたち別にけなしてませんけど? むしろ親身になってあげてるんだょ』って、

保険ありきで批判しまくるもんだ。




それなのにルルナがちっとも澪碧嶺を攻撃しないのはおかしい。


皆嫌いだとふてくされて四秒経った時だった。



「そっかあ。」


ずっと君は黙っていたのに、ルルナが突然放った。


  …………?

よく分からなくて、親友を見つめてみると、「そっかぁー」と同じ台詞を繰り返され、

ますますキョトンだったんだけど、

軽く頷き微笑んでこられると、なぜか泣きたくなってしまっていた。


それは何故?

このクイズが少年には意味不明でも、少女には心当たりがあるかもしれない。