おとり化粧室


「っ、そんなんじゃないよぉー」

可愛いと許せる範囲のヤキモチが可愛いと分かってる君は、別に本当にそんなんじゃないのに、

本当は嫉妬してるけどそんなんじゃないよーってテイで一応言ってあげる。

だってスマホ戦隊・女子高生のリーダーらしくありたいんだもの。


「疑わないでよ、写メ見せようか?」

男子力を見極める方法は、フェミニンな物腰が近年の女子に支持されると知ってる柔らかな口調の奴なので、

やたら語尾が乙女な架翔琉サンは、やはり男子力が高いらしい。


このバトルは先が読めない。



先月ボーリング大会があったと言い、架翔琉サンはスマホをいじる。
実は、その主婦のことならこっそり彼のブログで確認してた癖に、

いいや、彼のページの友達の欄からちゃっかり主婦の記事も読破してた癖に、

初見だとばかりに君は画面を覗きこむ。


そう、女子高生たるものコメントを残さなくともクラスメートや特に面識のない同級生のブログを監視してるし、

ログアウト状態で知り合いの友達のプロフィールやら関係を覚え、間接的に知り合いの立ち振舞いを偵察してる。

ああ、ほら、女子高生って怖いと引いて逃げちゃダメだ。
君が知ってる女子高生の八割はスマホの達人だしストーカー兼スパイ検定一級だし、絆を盾に粘着質だ。